会社の経営改善を妨げる「安易な借入」
「現金」が手元にあると人間は安心してしまう
資金繰りの穴を埋めるための手っ取り早い方法は、お金を借りることです。
ただしそれは、資金が回らなくなった理由を明確にし、問題点を整理して、資金繰りと返済の計画をしっかりと立てたうえでなければ、危険な選択になります。
なぜなら現金が手元にあると、人間はそれだけで安心してしまうからです。
「借りられたから、もう安心、これでなんとかなる」
そう言って胸をなで下ろした瞬間、経営が赤字であるという危機感が薄れてしまい、資金繰りが悪化した原因について真剣に考える気が失せてしまいます。
まずは「自力」で立て直す計画を立てる
当然ですが、売上が下がった場合、必ず何か原因があります。その原因を追及し、経営方法を改善しなければ、売上は元に戻りません。借金で得たお金を元に売上を増やしても、そこから得た利益は銀行の返済で出て行ってしまいます。結局、会社に現金は残りません。
借金までして頑張っているのに、いつまでたってもお金が貯まらない。ストレスが増える一方ですが、その理由は経営者自身にあるのです。
売上が減って資金繰りが悪化したときは、融資に頼るのではなく、まずは自力で立て直す計画を立ててみましょう。
難しい作業になりますが、一つひとつの項目をしっかりと把握し、何をどうすれば資金繰りが改善するのかを考え、自分の会社を守るために取引先とさまざまな交渉に取り組んでいけば、ほとんどの場合、経営改善は成功します。
会社が存続する限り、経営者は会社の資金をコントロールする責任を負っています。「楽だから」「手っ取り早いから」と安易に借入に頼ることはやめましょう。